稲むらの火

雷から復旧したテレビを深夜つけると、防災、特に水害の防災・減災の特集『忘れられた言い伝え』というのをやっていた。
一人の老人が地震後、津波が襲ってくると予感し、収穫した大切な稲むらに火を放ち、多くの村人を救った『稲むらの火』という物語が、昭和12年から昭和22年までの国定教科書に掲載されていたらしいが、私はその話は初めて聞く。
江戸時代、大阪の木津川が地震のあとの津波で大きな被害にあったとき石碑を建て、細かくその時のことを書き、最後に「いつまでも読みやすいように、毎年この石碑に筆を入れてくれ」と掘られてあり、今でも毎年地域の人が墨を入れている。このように、災害にまつわる教訓や言い伝えを「災害文化」というらしい。
今の時代はテレビをつければ情報はすぐ入るし、伝達手段もたくさんある安心感から『稲むらの火』の五兵衛のように直感的、野性的に身の危険を感じるころができる人がどんどんと減ってきてるだろうな。
長崎の集中豪雨の時も、いつもと違った「水のにおい」で危険を察知し避難したと80歳を越えるおじいちゃんがインタビューに答えていた。普段から水のにおい、緑のにおいを敏感に感じ取ってる人はどのくらいいるのだろう。
家に帰る直前の横断歩道でとなりで信号待ちしてたおばちゃんが、「今日はなあ、ええ月やから明日雨やでー」と話しかけられた。
これは直感か、天気予報を見たのか・・・