超人

kazumi-amitie2005-09-14

同志社大学のホールで日野原重明先生の「私の書斎にようこそ」という講演会に、ピアニストの谷川賢作さんと出演。
ここまで「人間ばなれ」した人に、私は生まれて初めてお目にかかった。
日野原先生は睡眠5時間、朝はジュースにオリーブオイル20cc入れたものと珈琲、昼も飲み物だけ、一日に一度晩ご飯だけ食べる。睡眠と食事の時間入れて6時間で残りの18時間仕事、ということは通常より毎日10時間労働時間オーバー!労働基準法で30時間を超えると過労死という判決がおりるらしいので、3日に一回過労死してることになる。前半1時間半はお一人で講演会だったんだけど、ずっと立ったままお話されてました。トータルで3時間の講演会で終わったらタクシーで京都駅直行して、20時から東京で講演会、そのあと22時からも打ち合わせ。94才ですよ。まさに「超人」!


日野原先生は神戸で育ったらしく、私が須磨育ちだと言うと「私も須磨にはよく泳ぎに行ってましたよ、僕はね神戸っ子ですから」と言われましたが、よくよく考えてみるとそれって、90年前の神戸〜???・・・なんと時代の生き証人。
だって1911年生まれということは、エリック・サティやドビュッシーがいた時代と重なっているではありませんか!ひー・・・すごい。
今日は山田耕筰の「この道」「赤とんぼ」も歌いましたが、これまたなんと!日野原先生は山田耕筰の主治医で最後も看取ったらしい。「この道」にまつわるエピソードなどもお話してくださいました。


今日のパンフレットに書かれてあった日野原先生のお言葉。


『私は長年の医師としての経験から医療の限界をつくづくと知らされました。死の床にある人に痛い注射や苦い薬は何の意味があるのでしょう。


本当に必要なのは、病む人のこころの苦しみや寂しさを分かち合い、支えになってあげられるようなケアであり、私はそんな医療を提供していきたいと思います。


音楽ならば患者さんの病んだこころにやさしくタッチすることができるのですから、医学と音楽はもっと一緒になったほうがいいと私は真剣に考えています。』