竹田の子守唄

『竹田の子守唄』を取材している報道の方とお話した。
フォークグループ「赤い鳥」が歌ってヒットした後、被差別部落で生まれた歌であることがわかり、取り上げて問題になるとややこしいからとリクエストが来てもメディアはこの歌を避けだしたのだとか。私もこの歌は放送禁止歌だと聞いていた。放送で流れなくなって30年。
明治後期〜大正に自分達の母親が歌っていた歌の思いを聞いて欲しいと、明日京都の伏見で『竹田の子守唄』が歌われる人権の集いがあるらしい。
口減らしのため子守奉公に出されて、空き地や神社で同じ境遇の女の子が集まり、やり場のない気持ちを歌にして自然発生した。


この子よう泣く 守をばいじる 守も一日やせるやら どしたいこりゃ きこえたか
寺のぼんさん 根性がわるい 守子いなして 門しめる どしたいこりゃ きこえたか
守がにくいとて やぶれがさ着せて かわいわが子に 雨やかかる どしたいこりゃ きこえたか
久世の大根めし きっちょうの菜めし またも竹田のもんばめし どしたいこりゃ きこえたか
盆がきたかて 正月がきたて なんぎな親もちゃ うれしない どしたいこりゃ きこえたか
早よもいにたい あの在所こえて むこうに見えるは 親のうち どしたいこりゃ きこえたか


地元の方が歌ってる竹田の子守唄のテープを頂いた。メロディも歌詞も赤い鳥が歌っていたのとちょっと違う。それよりおばあさんたちの口ずさむこの歌はとてつもない迫力があった。
震災後、神戸にジャズ、ポップス、フォーク、クラシックなどいろんなジャンルのミュージシャンが来られて、それぞれがこの『竹田の子守唄』を歌っていたらしく、直後に一番多く歌われた歌だと以前に聞いたことがある。この歌の持つ力ってなんなんでしょう。