厄除け

新年初めて民俗学者の大森先生が木馬に来られる。この間の厄除けの疑問を大森先生にここぞとばかり質問すると、出てきた、出てきた、あやしい話。
なんと昔の厄払いは、女性は肌着(腰巻き)を犬の形をしたものに詰めて神社や寺に落としたらしい。「厄を捨てる」ことになるのだとか。ひー!肌着?!これは歌舞伎の『白波五人男』にも出てくるらしい。台詞をすらすら芝居がかって説明してくれた。(白波とは山賊の意味だそう)
そして節分の夜、近所や見知らぬ人の家に行き、「(自分のいらないもの)売った!」と叫び、相手が「買った!」と言ってくれれば厄を払い落としたことになるのだとか。買った相手は、厄を買ったら逆転してそれは福に転じるのだそう。
肌着を落とす時や、節分の豆まきは前を向いて後ろ向きに落とすのが正しいらしい。あと、三田では城主が「九鬼」という苗字だったため、「福は内、鬼も内」と言うのだそう。おもしろいなぁ。
そして、「夢」の質問。民俗学ではどういうものかを尋ねたら、
「夢」とは「異見(目)いめ」。
天皇とか迷ったときは、女性のひざ枕で見た夢を夢解きして決めていたそう。ひざ枕をする女の人のことを「御息所(みやすんどころ)」というのはそれからきているらしい。
そして、犬は悪いものを吸い取ってくれる「獏(ばく)」と同じ役割だそうで、厄落としの時も犬を象ったもの、そして枕元に犬を置いておくと厄を吸い取ってくれるのだとか。
「スヌーピー置いて寝てる子供は厄除けしてるんだよ」と。