歌曲

京都でピアニストの長島優子さんとリハーサル。京響が彼女を紹介してくれて以来何年間か夢中で二人でフランス歌曲をしていた時代があったが、私がどんどんこの世界から遠ざかってしまっていたので離れていた。でも昨年宮水を録音するときにどうしても優子さんと録音したいなと思って8年ぶりくらいに連絡しDebussyとPoulencを録音。久しぶりなのにあの無言の通じ方はとても気持ちよかった。昔よほど一緒にさせてもらっていたのだろう。
今年南禅寺で優子さんとコンサートをするので、きょうは優子さんに昔のしていた譜面を持ってきてもらってびっくり。すごい量だ。ドビュッシー:ビリチスの歌、忘れられし小唄(1曲だけ宮水に収録)などなどなど、フォーレ、ベルリオーズ:真夏の夜の夢、デュパルク、ショーソン、ミヨー、オネゲル、メシアンなどなどなど、プーランクとラヴェルはかなりの量でかなりマニアック。あとサティはほぼ全曲(でも、すべてに上々企画の印が押されていて我のことながら笑った)、きみちゃんが手書きで移調してくれた譜面もある。このころから日々いっぱいいっぱいで手助けしてもらいながら行動してたのか・・・。
優子さんは今までの私とのプログラムや私が彼女に送った手紙を全部残してくれていた。10年前の私のやりたいことがいっぱい詰まった手紙や書き込みだらけの譜面を見て、こんなに夢中でやってたのにしなくなってなんかすごくせつないというか、今こんなの難しいの歌えるかな・・・というか、でも今の方がもっといいかんじで歌えるかも・・・とか、よくこれだけ覚える時間があったな・・・とか、この曲すごく好きだな・・・とか、やりたいけど時間あるかな・・・とか非常に複雑な思いが混じりあって、でも自然にやりたい曲の譜面だけピアノの横に出していってて優子さんに宣言した。
「これらの曲を復習させて欲しいです」
優子さんは手をとってすっごく喜んでくれて、これから2週間に一度京都でみっちり大特訓。こりゃ今年はいろんな特訓年だな。