Nさん

kazumi-amitie2009-02-07

マスターから電話。「はいはい〜!」と陽気に出たら、Nさんが亡くなったという電話だった。
一昨日、マスターが「Nさんのことが気になって仕方がない。あなたブログ見てみてください」と言うので、Nさんのブログを開けてみたらなるほど更新されてない。そしてきょうこの報告。「入院でもしてるんじゃないかと気になってたんだけど、まさか亡くなっただなんて・・・」。
Nさんとはからくり人形作家で現代玩具博物館、有馬玩具博物館の館長でもあった西田明夫さん。とてもやんちゃでダンディで色っぽくて群れない一匹狼、お会いしても何か実名出してはいけないような空気が漂っていたのでこの本日休演内ではNさんと呼んでいた。マスターとは相当気が合っていて、同じ世代の同じタイプの同じダンディズム精神を持つ二人なので、お互い放っておけない間柄だったようだ。いくらマスターが機嫌悪くてもそれを見てニヤニヤ喜んでおられた。映画の好きなシーンの話でよくマスターと盛り上がっていた。ドイツからの帰りもいつも空港から直接木馬に来られていた。シュトーレンをドイツで自分で焼いたと持ってきてくれたこともあった。私のこの本日休演のブログも西田さんが初期設定して立ち上げてくれたし、ワイヤー1本でおもしろい顔の作品作ってくれたりした。去り際がとても格好いい人でみんなで盛り上がったあと、さらりと帰っていく人だった。プロジェクトを10も20も同時進行し、今年もドイツや来年はザルツブルグや個展が決まっていて3年先まで書かれたスケジュール帳を昨年末見せてもらったばっかりだ。でも尋常じゃないスケジュールだった。昨年末も西宮ガーデンに置かれる巨大なからくりを作るのに徹夜続きで仕上げた時は「もう無茶できない年齢になった」と笑いながら言いつつ、そのままドイツへ。帰国して空港から直で木馬に来られた時はすごいしんどそうで、病院行かないマスターに「病院に行きなさい」と命令されていた。
こんなに早く亡くなられるなんて・・・。
昼間は身内が脳梗塞で入院しているので歩行のや言語のリハビリに付き合っていたが、おじいちゃんおばあちゃんたちはこんなに復帰しようとがんばっているのに、そのようなリハビリの時間もなく一瞬で亡くなってしまうなんて・・・とぼろぼろ涙が流れてしまった。大親友を失ったマスターはみんなに連絡まわさなければいけない使命以外は何の行動もできず、西田さんの作品を写真におさめている。窓際カウンターから見える帚に乗った魔女ははじめて博物館に遊びに行ったとき私が相当気に入って遊んでたとスタッフから聞き持ってきてくれた作品、木馬30周年のときマスターにプレゼントされた「アホに塗る薬はない」のワイヤー作品。いたるところに西田さんの存在がある木馬内。