悲しくなったときは


NHKカルチャー京都。寺山修司の「悲しくなったときは(中田喜直作曲)」をしました。童謡ではないしとても難しい曲なのですが、ご紹介したかったので。


悲しくなったときは 海を見にゆく
古本屋の帰りも 海を見にゆく
あなたが病気なら 海を見にゆく
こころ貧しい朝も 海を見にゆく


私、この曲、好きなのに嫌いだったんです。いや、すごく好きなんだけど、ここからの極端なダイナミックさがもひとつピンとこなくて。でも年齢を重ねたのか、3.11以降なのか、よくわかりませんが、今はこの後の部分も受け入れられるようになりました。


教室が終わって「童謡サロン」を受講してくださってる方々から「神戸やったら家から海が見えたりするんですか?」と聞かれ、「家の中からは見えないけどマンションの玄関からは見えるし、駅まで歩く時もずっと海が見えてるし、毎日見てますよ」と言うと、「だからやわぁ。うちら琵琶湖とか川とか言うてもらわな、ちょっとピンとこうへんわぁ」と言われました。
でも日本に暮らしていると海って近いと思う。ユーラシア大陸のど真ん中とか、一生海を見ないまま終わる人々は世界中に何割いるのでしょうか。半分以上いたりして。


なみだはにんげんの作ることのできる一番小さな海です。(寺山修司)