夜中は闇、怖い国

23才の6月14日、パリへ住もうと渡仏。バスチーユ広場に近いホテルを2泊取り、その間住宅物件の電話をかけ続け、3日目でモンパルナスのアパルトマンを見に行った。

「このアパートの入居条件は窓辺にお花を植えてくれる人。下の階は陶芸の工房と合唱団の練習場、向かいは親切なゲイのカップル、隣は耳の悪いおばあさん、練習もいっぱいできる環境よ。ホテルはお金もかかるし今日から住んで。しばらく空き家だったから電気通ってないけど。」と、布団を自宅から取ってきてくれて、その間に私はレンヌ通りでロウソク立てとロウソクを買い、カーテンのない部屋で電気がなかったらこんなに月の光が入ってくるのかと感動し、シャワーを浴びようとしたら水しか出なかった(電気ないのでお湯が出ない)。

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そして、翌日電気の契約へ行くと開通が1週間かかるとのこと。その期間は料理もできないしシャワーも浴びることができない。ちょうどスイス留学を終えてパリに滞在していた高校時代の友人のところや、同じ界隈に住んでいたバイオリンとアコーディオン奏者のカップルの家などにシャワーを浴びに渡り歩いて、ようやく電気開通。

楽器屋街のローマ通りで電気もないのに電子ピアノを買っていたので、開通初日に大家さんが置いておいてくれた蛍光灯をピアノの上に取り付けようとしたら断線していた部分が接触し、蛍光灯も粉々、火花散らして、髪の毛も燃え、マンガみたいに顔も黒くなった!

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電磁調理器も火力が強くて蒸発しきってホウロウに亀裂が入り、空中に飛び散り弾け出した!
ピアニストの先輩から「SONYのドデカホーン、バカンス中使わないから和美に貸しておくわ」と借りていたのも、電圧変換器間違えて1秒で故障。
そして同時期に電話も開通し、(+1)47.83.58.92になった。「よなかはやみ、こわいくに」やん!!(続く)

 

木馬新聞原稿。写真はつきません。さてマスターにここからどう手直し要求されますか!