小唄

京都の花町・宮川町生まれ育ちの80代の小唄のお師匠さんに、小唄を教えてもらっていた。
もう教えることをやめていらっしゃるが、私は小唄で一人前になるわけでないので特別に教えてもらうことを許可され、お茶屋さんの二階で芸妓さんたちの身支度の忙しい中、お話半分、お稽古半分。すごい贅沢な時間を過ごしていた。
教えてもらいたい芸妓さんが早々お化粧と身支度をすませ見学にこられる中、チントンとお三味の音が始まり、私は正座が大変苦痛で苦痛でろくにお三味も聞けない。それもバレバレで、正座椅子を用意してもらったり(教えてもらうのにありえない!)、本当に特別待遇でした。最近習いにいってないなー。おかあさんお元気かなー。
地方から芸妓になるためにやってくる今、宮川町生まれ育ちのおかあさんのお話は別世界。京都なのに単語がわからない。質問もできない。毎回録音してたので、あとで京都人に聞いてもらってもわからない。花町特有の優雅な言葉で、女社会を生き抜いてきている強さとプライドの高さがありました。

今日もテレビは映らない。
雷の小唄があって、習った中では一番印象的だったなー。
こわくて蚊帳の中にあわてて入ったら恋が芽生え、
雨よ、あがらないでくれという、とっても色っぽい唄だった。

  夕立や 
  さっとふきくるねやの戸に
  ピカピカ お〜 こわ
  雷さんはこわけれど
  私のためには出雲より
  結んだ縁のかやの内
  にくや晴れゆく 夏の空