【は】か【も】か

ホッと一息つく間もなく、前回と同じく加古川の松風ギャラリーホールで童謡サロンvol.3のレコーディング。
きょうは多久くんとバラード系の曲ばかり録音。童謡は小さい頃から歌っていただけに間違えて覚えていることがある。
『七つの子』の「山の古巣へ行ってみてごらん〜」と歌っていたら、エンジニアの徳竹さんから「山の古巣に来てみてごらん、じゃないの?」と言われ、譜面を見てみると「山の古巣に行ってみてごらん〜」だった。どちらも間違い。
『この道』では「1.この道は〜、2.あの丘は〜、3.この道は〜、4.あの雲は〜」と歌っていたら、またまた徳竹さんが「4番は「あの雲【も】」じゃないの?」と。以前私は「あの雲【も】」と歌っていたんだけど、譜面で確認したら「あの雲【は】」って書いてあったので、また勘違いして歌詞を自分で作っていたかと思って【は】で歌い直していた。調べてみるとどうやら譜面は2種類ある。私は「あの雲【も】」と歌いたい。それなら北原白秋記念館に確認しようということになりレコーディング中断。福岡の柳川に電話をかけて尋ねてみる。電話の向こうでも【は】か【も】かで大議論。白秋は「あの雲【も】」で書いたのに、山田耕筰に「あの雲【は】」と直されたらしい。
「私は【も】で歌いたいんですけど・・・」と言うと、「そうですか。もうちょっと待ってくださいね」と、ずいぶん長い間保留音になり、
「いま山田耕筰さんの初版見つけてきました。譜面の初版は【も】で書かれてあるから、後に【は】に直されているけど【も】で歌いたいと思われてるんだったら【も】でいいんじゃないですか」と。
やった〜。堂々と【も】。