常識

私の最高齢の友人88才のS子さんとイタリアンレストランへ。時々電話がかかってきて日が会えばハンサムなイタリア人シェフのいるレストランに行くおともだち。
S子さんは薄いピンクのサマーセーターに白いお帽子、白いネックレス、エルメスの美しいスカーフ、私は超カジュアル。毎度毎度反省。
この大正10年生まれの女性の人生は激動の昭和史と共に歩いているので映画に行くより面白い。東条英機、宮城道雄、伯爵、男爵、溥儀、満州、李王家・・・みんな接触している生の話である。
顔も知らない家と家の結婚の時代に神戸にお嫁に来て、すぐに戦争、淡路島の方角からB29が近づいてきて射撃されそうになる話。ダンナさんと一緒に逃げて二人とも「ゲーリー・クーパーにだったら撃たれてもいいけどね。それ以外の人ならイヤ!」と逃げながら笑っていた話。なんとその時はお腹の大きい妊婦さんだったらしい!歴史話は今までたくさん聞いてきたけど(だれか文章書ける人、取材して〜〜、マジですごいから)きょうは最近の話ばかり。
「マイケル・ジャクソン聞きに行った時は・・・」
「え?S子さん、コンサート行ったの?」
「西宮球場に行ったわよ。プレスリーのハワイのコンサートに行こうとしたら家の事情で留守にできず行けなかったのが心残りだけどね」
「イブ・モンタンの時は〜」
「フルートのエマニュエル・パユの〜」
まぁ、なんと好奇心旺盛な・・・。村上春樹の最新作もすでに読んでいる。
そして好きなものには徹底して執着する。
帽子はマキシン、とらやの羊羹、あられは豊洲、
朝食はイカリのサンライズの上半分にイカリのジャムはつけずに紅茶と一緒に、
昼食はレストランに行く以外の日は、そのサンライズの下半分にバナナ一本。
そして88才なのに肉食。野菜は一切食べない。
「野菜食べなくてもこんなに元気なんだから。みんな常識にとらわれすぎてるのよ」


S子さんのお話はこちら
http://d.hatena.ne.jp/kazumi-amitie/20080915
http://d.hatena.ne.jp/kazumi-amitie/20060523