タミフル

団塊の世代の人は弱いところを徹底的に見られたくないという性質を持ってる気がするが、マスターにとって解禁話になったようなのと、やはり問題があると思うのでここに書こう。
3日前、マスターは意識を失って倒れた。私は店の買物に出ていて、帰ってきたら足だけが見えてテーブルとテーブルの間に仰向けに倒れていた。救急車を呼べばいいのか、どうしたらいいのか、川島さんが病院の電話番号を調べてくれたり、お客さんが水を飲ませてくれたりしてるうちに気付き、半身だけ起き上がれたけど汗をダラダラかいて血色のない顔色。救急で運ぼうとしたら律儀なマスターは「さっき行った医者に行く」と聞かない。番号を調べて「さっき診てもらった患者が倒れたのですが」と言っても「あー、そうですか〜。うちはあと1時間で閉めるので中央市民病院に行ってください」「まだそちらは開いてる時間じゃないですか!そちらでもらった薬飲んで2、3時間後にこんなことになってるんですよ!」「今からだとね〜、点滴とかになると帰る時間が遅くなるのでね〜」こんな奴と話してる時間はない!こんな医者に礼儀を尽くそうとしてる店の床に寝転んでいるマスターが可哀想だ!めちゃくちゃむかついて電話を切り、タクシーを止めて店から一番近い神鋼病院の救急へ。川島さんが付いていこうとしても一人で行くと聞かないので一人で行った。点滴を打ち、ちょっと復活したときに言われたそうだが、神鋼病院の判断ではこの場合の薬はタミフルではないらしい。マスターはちまたで話題のタミフルを飲まされて3時間後に意識を失って倒れた。
「子供がタミフル飲んで飛び降りる事件があったりしましたけどね、ちょっとわかった気がするんですよ。あんなことは初めてだった。僕は大人だから大丈夫だと思ってたけどこんな年になると子供と同じようなものかもしれない。」
10年以上風邪をひいてない、まったく薬を飲まない、サプリメントすら飲まない、自然治癒力を信じるマスターにいきなりタミフルは相当きつかったのだろう。しかもあとで調べてみると発病後48時間以内に飲まないと効き目はまったくないらしい。熱が出て何日間も経った身体に医者は「簡単に」タミフルを出した。