愛嬌

民俗学者の大森先生が来られた頃、マスターは機嫌が悪い真っ最中だった。「機嫌が悪いときは入ってきた瞬間すぐわかる。大きな音を立ててるからね」と大森先生。横で大きく同意してうなずく私(でもきっと原因は私)。「人の心の中までわかってたまるものですか。」「わかるよ、わかりやすい。でも大きな音は立てないで」と大森先生と私。「これは僕の欠点だ。欠点は愛嬌だ。欠点というのは愛すべきもんなんです!」
沢尻エリカが「べつに〜」と答えた事件で彼女がマスコミにたたかれているとき、マスターはテレビを見ながらつぶやいた。「・・・僕はいつもこうだ。」