ひとこと

帰国中の楽子とお昼から延々と話していると、マスターが横から「世の中すべて妄想ですね。自分の顔を鏡で見ても妄想、恋愛も妄想・・・」とかなんとか、まったくそんな話をしていないのに急に論じだした。楽子はいつものようにふんふんとマスターの話を聞いてくれている。私は話も聞かず横で勝手にチョコレートを食べながら書類の整理とかしている。1週間しか帰国してないのに昔と変わらずごくごく日常の風景。
今夜の木馬はとても静か。楽子が帰り、トアロードに面したカウンターをデスクにして珈琲を飲みながら今後のプログラムやらCDの構成やら考えていると、ほろ酔いの大森先生が、「難しい顔して何してる?」と覗き込んできた。「何やら難しく考えているようだけど、童謡は口ずさめるということが基本」と一言残し、またビールのところへ。大人のひとこと。