ニンゲン

木馬で大竹昭子さんの『朗読カフェ』。マスターは「大竹さんのホストをするなんて役不足もはなはだしい」と何日か前から心配し、きょう木馬に行くと私用の原稿を作ってくれていた。ああ、親心。しかし、その原稿は結局私にはくれず、「太刀打ちできないだろうから、そのままでいきなさい」と命令が下る。そうだなぁ、確かに。ホストが坂田明さんだったらおもしろいだろうなぁ〜、これから知識な豊富な人になろう〜、とぶつぶつ思ってると、昭子さんに「普段通りでいいのよ」と言われ、普段通りのリラックスムードで始まった。1部はスナネズミとの共生を書いた「きみのいる生活」。ネズミはペットとしての歴史は浅く、でもニンゲンとの関係は長い。ペットを飼う生物はニンゲンだけである話。2部は私のリクエストの『図鑑少年』の1編。賛助出演で来てもらった多久くんの情景あふれるピアノで幕。多久くんのピアノは朗読に合う。やっぱり映像系ピアニスト。
ペットを飼う罪悪感を感じているのをうまく表現できないわたしは、昭子さんの『きみのいる生活』を読んだとき、同じような感情を「ことば」で書いているのに感動した。ちゃんとことばで表現できる。わたしはことばで表現できる人を非常に尊敬している。
家に帰ると、いままで私の入れてた巣に見向きもしなくて自らカゴの端に巣を作ろうとしていた錦花鳥のつがいが、はじめて私が入れた巣に入っていた。この巣に入るのに何ヶ月かかっただろう。二羽くっついてちょこんと巣の中に座って寝ていてとてもかわいい。ああ、ニンゲン。