港の見える丘公園にある、神奈川近代文学館『日本の童謡・白秋、八十そしてまど・みちおと金子みすゞ展』へ。
書簡や直筆の歌詞やら写真、楽譜の装丁など一同に集めら解説されている。この展示会はすごい!
芥川龍之介の『蜘蛛の糸』の直筆に続き白秋コーナー、そして雨情コーナー。雨情は消え入りそうなやさしさであふれている。白秋は近代市民的な生活感情に立ち、雨情は自然と農村の素朴な生活を愛情こめて歌い続けると書いてある。私はやっぱり野口雨情の詩が大好き。金子みすゞは一時期凝りに凝ったので全部知ってた。
そして西條八十。八十のは知らない詩が多かった。今日初めて知ってドキッとした詩を二遍紹介します。
■猫の洋行
かはいい猫をあげました
フランスの牧師さんにあげました
牧師さんはお国へ帰ります
港でお船にのりました
牧師さんはデッキで「さやうなら」
猫を抱きだき「さやうなら」
かはいい猫は明日から
洋食たべて パンたべて
ニャーと啼かずにミューと啼く
フランスの猫になるでせう
「ミュー」なんだ・・・。ちなみにイタリア語で猫が鳴くという動詞は「ミャゴラーレ」。大学の時のイタリア語の授業で一番始めに覚えた動詞。
■お月さん
お月さん
ひとりなの
わたしもやっぱり
ひとりなの
お月さん
空の上
わたしは並木の
草の上
お月さん
いくつなの
わたしは七つの
親なし子
お月さん
もう帰る
わたしもそろそろ
ねむたいの
お月さん
さやうなら
あしたの晩まで
さやうなら
港の見える丘公園を歩いていたら、おじいさんが「お嬢さん、お一人だったら写真を撮ってさしあげましょうか?ご自分のカメラはお持ち?」と、私のカメラで私を撮ってくれました。
「はい、チーズ!」