八十八枚のシベリア

深夜、コタツに入り、写真の整理をしながらテレビをつけると『八十八枚のシベリア』という報道ドキュメンタリー番組をしていた。
あまりにすごい番組で、私の執筆能力で書けないので番組案内から引用させてもらいます。


『東江寺という寺に、87枚の古い油絵が保管されている。お世辞にも名画とは呼べない。しかし一枚一枚が見る者の心を一瞬にして奪う迫力に溢れている。
 描かれているのは、終戦直後から3年間に及ぶシベリア抑留の記憶…添えられた短いコメントが胸を打つ。極東シベリアに抑留された日本人将兵はおよそ60万人。想像を絶する寒さの中で過酷な労働を強いられ、満足な食糧も与えられず衰弱していったおよそ6万人が、異国の地で帰らぬ人となった。


 この絵を描いた勇崎作衛さん(82)も、抑留された兵隊の一人。零下50℃にも及ぶ極寒の地での抑留所生活、バイカル湖の護岸工事、さらに道路や家屋の建設…抑留されていた3年間の記憶が、真実の持つ迫力・説得力が、キャンバスからほとばしる。


 番組は60年後のシベリアを訪ねる。日本からはるか遠く離れた荒野に残る収容所跡、抑留者が建設した家屋に暮らす人々、そして帰国を夢見つつ異国の地で力尽き、今も凍土に眠る抑留者の墓地…


 この取材のなかで、私たちはもう1枚の勇崎さんの油絵を発見。勇崎さんの絵は、目を覆いたくなるような戦争の真実に迫る。例えば、一片の黒パンのために仲間を売る男。他人の死に無感動になってゆく自分。引き揚げ船の中で繰り広げられたリンチ…。
 すべては「戦争」という狂気が生んだ極限のドラマだが、こうした状況下に置かれたとき、人はどうすべきなのか…?シベリアの大地が私たちに問いかけてくる。

 いま私たちの時代を覆いはじめている、ほんの少し危険な雰囲気… 戦争という言葉の重さを忘れかけた時代に、60年前のシベリアの“悲痛な想い”を届ける。』


絶句。最悪、最悪、最悪・・・戦争って最悪・・・
生きてる時代が違うだけで、こんなにも違うのか。寒さと飢えで死んでいった人たち、食料をもらうために仲間を裏切ってしまわざるを得なかった人たち。で、なに?今は12兆円食料輸入して11兆円分捨ててるって、どういうこと???


おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に暮らしていたわけではないので、戦争の話はあまり知らない。平和ボケとか言われても戦争なんてない方がいいのではないのでしょうか?


あ〜・・・最悪〜、とコタツに入って思いながら、温かいお風呂に入って寝ました。あ〜、現代人。